1952年/白黒/原作ポール・アンセルム/脚本ジョージ・タボリ、ウィリアム・アーチボルド/出演モンゴメリー・クリフト、アン・バクスター、カール・マルデン
私は告白する – 解説
主人公がカトリックの神父であることにこの物語の基本的な鍵がある。神父は懺悔を聞く義務があるが、それを口外することは道にそむくとされている。ところがこの主人公はそれを守り抜こうとしたために、自分自身が犯人と目されてしまう。そこまでして道を守らねばならないということに非カトリック教徒の観客は首をひねったりもした。ちなみにヒッチコック自身もカトリックであったが、むろんここでは宗教上の問題を提示したわけではなく、素材として用いているにすぎない。ポール・アンセルムの戯曲の映画化。脚本はジョージ・タボリとウィリアム・アーチボルドの共同執筆。撮影は「見知らぬ乗客」のロバート・バークス、音楽の作曲指揮は「吹き荒ぶ風」のディミトリ・ティオムキンのの担当。主演は「終着駅」のモンゴメリー・クリフトと「人生模様」のアン・バクスターで、カール・マルデン(「欲望という名の電車」)、ブライアン・エイハーン(「大地は怒る」)、O・E・ハッセ、ロジャー・ダンらが助演する。