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北北西に進路を取れ

北北西に進路を取れ
1959年/カラー/脚本アーネスト・レーマン/出演ケイリー・グラント、エヴァ・マリー・セイント、ジェームズ・メイスン

北北西に進路を取れ – 解説

スリラー映画お得意のアルフレッド・ヒッチコックが「めまい」につづいて監督した、恋とスリルに満ちたサスペンス・ドラマ。脚本をアーネスト・リーマンが書下し、「黒い蘭」のロバート・バークスが撮影を、音楽はバーナード・ハーマンが担当している。出演は「無分別」のケーリー・グラント、「愛情の花咲く樹」のエヴァ・マリー・セイント、「針なき時計」のジェームズ・メイスン、他にジェシー・ロイス・ランディス、レオ・G・キャロル等。製作アルフレッド・ヒッチコック。テクニカラー・ビスタビジョン。1959年作品。

北北西に進路を取れ – ストーリー

広告代理業者ロジャー・ソーンヒル(ケーリー・グラント)は、ニューヨークのホテルから無理やり2人の男に連れ出された。給仕がキャプランという男を呼びだしていた時、電話に立ち上がったので、間違えられたのだ。海の近くの邸宅で、主人のタウンゼントと称する男(ジェームズ・メイスン)は“仕事”への協力を強いた。断ると、彼を泥酔させ、車のまま海へ突き落とそうとした。危く逃れたが、パトロールカーに酔っぱらい運転で捕まった。翌日の裁判では、彼の母からまで信用されなかった。例の邸宅の夫人は、彼をパーティに招いたと証言した。

泥棒成金

泥棒成金
1955年/カラー/原作デイヴィッド・ダッジ/脚本ジョン・マイケル・ヘイズ/出演ケイリー・グラント、グレース・ケリー

泥棒成金 – 解説

1950年代の半ばといえば「ローマの休日」「旅情」「愛の泉」など、ヨーロッパの観光名所を舞台にしたロマンティックな作品がアメリカで流行していた。「ローマの休日」は白黒だが、テクニカラー技術の進歩もあいまってロケの魅力が存分に発揮されたのである。もともと観光名所を舞台に選ぶのが好きなヒッチコックは、この時代の傾向もうまく利用し、きわだってはなやかな作品に仕立てている。
南フランス、リヴィエラのカンヌとニースの街や海岸の風景、花市場の美しさ、ヘリコプターによる車を追ったカメラの鮮やかさ、遠景の使い方、仮装舞踏会の色彩の楽しさなど、テクニカラーの技術を存分に生かしてあり、撮影監督のロバート・バークスはこれによって1955年度アカデミー賞の色彩撮影賞を得ている。
デイヴィッド・ダッジの小説からの映画化だが、ヒッチコックは「裏窓」で登場させなかったのについで、ここでも宝石泥棒という多少ユーモラスな犯罪をあつかって多分にくつろいだ雰囲気にしている。ストーリー性もそれほどつよくはなく、追われながら真犯人を探す主人公の立場ものんびりしている。
ケイリー・グラントとグレース・ケリー。ヒッチコック映画にもっともふさわしい二人を主演に選んだことも的確であり、グレイスを、はじめは無感動で冷たい女と登場させながら、ラブ・シーンでは燃えるような女に変貌させ、しかも夜空の花火をあしらうなど、恋愛描写の巧みさも絶妙である。

泥棒成金 – ストーリー

パリの大警視ルピックが南仏リヴィエラにやってきたのは、戦前 「猫」と異名をとった、稀代の宝石泥棒のジョン・ロビー(ケーリー・グラント)がまたまた活躍をはじめたという情報が入ったからであった。しかし当のロビーは、戦後は堅気になり、リヴィエラに別荘を買いこんで呑気な暮しをしていたので、急に警官に追われる身となり、おどろいてしまった。彼は旧友のベルタニ(チャールズ・ヴァネル)の経営する料理店に相談に行った。ベルタニとロビーは、第二次大戦中、ドイツの飛行機により爆撃されたフランスの刑務所から脱走した仲間同志であった。ベルタニの指示でロビーはニースに行き、そこで保険会社の調査員ヒュースンに会った。ヒュースンはロビーに宝石気違いの母親と一緒に来ているアメリカ娘、フランセス・スティーヴンス(グレイス・ケリー)を紹介した。ロビーは木材商バーンズという仮名を使っていた。彼はフランセスに一目で参ってしまった。ロビーはヒュースンの会社の保険契約の名簿から南仏の金持の名前を調べあげた。「猫」が彼等の持つ宝石に目をつけて行動をはじめれば、その正体をあばくことができると考えたのである。