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レベッカ

レベッカ
1940年/白黒/原作ダフネ・デュ・モーリア/脚本ロバート・E・シャーウッド、ジョーン・ハリスン/出演ローレンス・オリヴィエ、ジョーン・フォンテーン、ジュディス・アンダースン

レベッカ – 解説

ハリウッドに渡って最初に手がけた作品であり、さっそくアカデミー作品賞(ほかに撮影賞も獲得)を受けて、アメリカ映画界へのはなばなしい登場となった。この作品は大戦中のアメリカ映画にスリラーものとくに、ニューロティックと呼ばれる一連の作品の流行を生むきっかけともなった。
「情炎の海」のダフネ・デュ・モーリアの同名の原作から、「我等の生涯の最良の年」のロバート・E・シャーウッドがジョーン・シンプソンと協同脚色、製作は「風と共に去りぬ」につづくデイヴィド・O・セルズニック。撮影は「海賊バラクーダ」のジョージ・バーンズ、音楽は「大編隊」のフランツ・ワックスマンが担当する。「嵐ケ丘」のローレンス・オリヴィエ、「純愛の誓い」のジョーン・フォンテーン、「天国の怒り」のジョージ・サンダース以下、ジュディス・アンダーソン、ナイジェル・ブルースらが助演。

レベッカ – ストーリー

英国コーンウォル海岸近くにマンダレイという荘園を持ったマキシム・デ・ウインター(ロウレンス・オリヴィエ)はモンテカルロで知り合った娘(ジョーン・フォンテーン)と結婚して帰邸した。彼は美しい先妻レベッカを失って、2度目の結婚であった。家政婦のデンヴァー夫人(ジュディス・アンダーソン)は、レベッカへの熱愛から、新夫人を成上りの闖入者扱にし、レベッカの居間は生前のままに保存していた。死後も尚レベッカが家を支配しているようだった。恒例の仮装舞踏会のとき、デンヴァー夫人のすすめで、新夫人は廊下にかけられた美しい画像の婦人と同じ衣裳をつけたが、それがひどくマキシムを驚かし心を傷つけたようであった。画像の女性はレベッカだったのであった。

巌窟の野獣

1939年/白黒/原作ダフネ・デュ・モーリア/脚本シドニー・ギリアット、ジョーン・ハリスン/出演チャールズ・ロートン、モーリン・オハラ、ロバート・ニュートン

巌窟の野獣 – 解説

「レベッカ」の原作者でもあるダフネ・デュ・モーリアの原作からアルフレッド・ヒッチコックが渡米直前に製作したスリラー。イギリス時代最後の作品である。この作品はサスペンスというよりは冒険アクション仕立てのコスチューム・プレイであり、カメラが人物とともに、マストのてっぺんから投げ出されるように見える演出などはあるというものの、精緻さにも欠け、絶頂期のヒッチコック作品としては見劣りのする結果になってしまった。脚色は、「青の恐怖」「夜霧の都」のシドニー・ギリアットに、「レベッカ」「断崖」のジョーン・ハリソンが協力している。撮影は、「世紀の女王」のハリー・ストラドリング、監督に転向して「赤い百合」などを放っているバーナード・ノウルズが担当している。

巌窟の野獣 – ストーリー

母を失って孤児になったメリイ(モーリーン・オハラ)は、たった一人の身寄りの叔母ペェシェンス(マリー・ネイ)を頼って、彼女が経営するホテルへと行くことにした。馬車に乗って行ったが、馬車はそのホテルの前では止まらず、随分過ぎた山の中で止まった。メリイは近くに一軒だけある豪邸の門を叩いた。そこに住む立派な紳士ペンガラン(チャールズ・ロートン)に助けられ、叔母のホテルまで送ってもらった。すると、ホテルは驚くほど荒れていて叔母の夫だというジョス(レスリー・バンクス)がガラの悪い仲間とともに酒宴を開いていた。叔母もすっかり疲れ切った様子で老け込んでいた。